編集長ナガヤマの読書日記 :「民間防衛」スイス政府編の巻
某日、2014年の2月頃に舛添都知事が会見で本書のようなものをつくり、全家庭に配布したいとおっしゃっていたのを突如思い出し、アマゾンで購入、読了。
二言ぐらいでいうとこの本は災害や戦争に遭遇した場合に自由と独立を確保し続ける為のサバイヴァル本だ。永世中立国スイスでは本書を各家庭に配布しているそうな。そしてこの本はまえがきからかなり力強い。最初の2行をそのまま引用すると(引用はじめ)「国土の防衛は、わがスイスに昔から伝わっている伝統であり、わが連邦の存在そのものにかわるものです。そのため、武器をとり得るすべての国民によって組織され、近代戦用に装備された強力な軍のみが、侵略者の意図をくじき得るのであり、これによって、われわれにとって最も大きな財産である自由と独立が保障されるのです。」(引用おわり)とある。なるほど、ごもっともであるなあとそのまま引きずり込まれていく。
まえがきから宣言しているように、本書は自由であり独立し続けるには、それ相応の代償を払うのも止むを得ないし、その代償を払わない選択は絶対ないという心棒が入っている。なので内容としては防災備品の準備の仕方や民間での防災組織の方法、街に火災が起こった時の消火の手順、核戦争が起こった時の対処の仕方等々が事細かに記載され、挙げ句の果ては戦争が始まるまでには敵のプロパガンダやスパイ活動、撹乱活動があり、万が一にも侵略され占領された場合でもそれに耐えレジスタンスを組織し、祖国の自由と独立を奪取するまでの方法が書いてあって忠実に実行すればタイトル通り「民間防衛」が可能となる内容になっている。そしてこの考え方が標準なのだろうと思いを巡らす。
さらには戦争の暗い部分である味方の裏切りや犠牲についても記述してあって、自立し続ける事のボリュームが一気に認識できる内容となっている。そして読了後、どうしても我が日本の雰囲気を比べてしまう自分がいる。もしかしたら我々はもう少し自立することの価値と努力を考える必要があるのかもしれない。必読。(写真はバチカン市国を警護するスイス傭兵)
コメント
- コメント
- コメントはまだありません
- コメントはまだありません